引用:eBookJapan
10代のきらめきと爆発の瞬間が描かれている『ダンス・ダンス・ダンスール』。
思春期の少年がクラシックバレエと出会い、天才的な才能を発揮していく姿を、“スポ根漫画”の展開を踏まえつつ、新たな魅力で描きました。
「バレエはチュチュを着て優雅に踊っているもの」と思っていた人は、バレエの荒々しい魅力に改めて気がつくかもしれません。
作者:ジョージ朝倉のデビュー当時からファンである筆者が、『ダンス・ダンス・ダンスール』のあらすじや見どころ・感想を余す所なくお伝えします。
世間での評判もまとめましたので、漫画を読もうか迷っていると言う方はぜひ本記事を参考にしてくださいね!
『ダンス・ダンス・ダンスール』のあらすじ
引用:eBookJapan
幼い頃、姉が通うバレエ教室の発表会へと訪れた主人公・村尾潤平。
そこに登場した男性ダンサーの踊りに魅了され、体の中に電流が走るような、そして今にも爆発しそうな感覚に襲われる。
自分も姉と同じ様に「バレエを習う!!」と言い出す潤平だったが、アクション監督として活躍している父・一平太からは難色を示されてしまうのだった。
小柄な体型に肩まで伸びた髪。普段から女の子に間違われてしまう潤平に、もっと“男らしいこと”をして欲しいと考えていた一平太。しかし、クルクルと踊りまわる潤平があまりにも楽しそうで、バレエ教室へ通うことを許可するのだった。
しかし、やっと憧れのバレエが習えると喜んでいた潤平に対し、幼馴染の兵ちゃんたちは「男なのにバレエなんかやるの?」とバカにしてくる始末。
そして、突然訪れた父・一平太の死。
長男である潤平は、「父に代わって自分が“男らしく”家族を守っていかなくては」という呪縛にとらわれてしまう。
月日は流れ――。
中学生となった潤平は、ブルース・リーが生み出した武術「ジークンドー」を習っていた。
持ち前の運動神経で回し蹴りを披露し、クラスの男子から喝采を浴びる潤平。
しかし、転校生の五代都だけは、潤平の跳躍がバレエを元にした動きであることに気がついていた。
潤平の才能を見抜いた都は、母親が経営するバレエスタジオへ潤平を連れて行く。
「バレエなんか」「俺、男だし」「やるわけないだろう!」と散々口にしていた潤平だったが、都の母・千鶴から「今からやっても遅い」と突き放されると、いてもたってもいられず、自己流で習得してきたバレエを目の前で披露してしまう。
都の口から「天才だと思う」と言われたこと。
千鶴から、始める年齢が遅すぎて「その時点で“天才”のふるいから落ちている」と言われた悔しさ。
そして、広いスタジオで初めて味わう自分の体が開放されていく感覚。
全てが絡み合い、幼い頃に感じたあの、電流のような、爆発するような瞬間を思い出す潤平だったが――。
直後、千鶴から潤平の動きは「バレエじゃない」と言われ、反発するようにスタジオを後にしてしまう。
しかし一度あの感覚を味わってしまった潤平は、バレエから逃れることができない。
さらに、同い年の少年・森流鶯の圧倒的なバレエを目の当たりにし、ますますバレエへ取り憑かれていく潤平。
まるで山ザルのような少年だった潤平は、男性バレエの称号「ダンス・ノーブル(※王子を踊ることを許された者)」を目指すことを決めるのだった。
見どころ①男性バレエダンサーが魅力的!モデルは?
引用:eBookJapan
幼少期の潤平は、姉の発表会で見かけたあるバレエダンサーに衝撃を受け、そのビビビ!っと電流に打たれたような感覚がずっと忘れられないままでいます。
一体潤平はどんな踊りを見たのでしょうか?
モデルだと明言はされていませんが、以下の人たちを作者は念頭においていたのでは?と勝手に推察してしまいました。
- セルゲイ・ポルーニン
- 首藤康之
- ウラジーミル・マラーホフ
【追記】その後、作者ジョージ朝倉さんがツイッターでブランコのモデルについて言及していました!
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モデルはセルゲイ・ポルーニン?
タトゥーを施したバレエダンサーとして有名で、「バレエ界の反逆児」とも呼ばれています。
荒々しく、そして美しいセルゲイ・ポルーニン。
描かれていたキャラクターにもタトゥーがあった!という、その共通点だけですが、人を引きつける魅力を持ったバレエダンサーだと思います。
モデルは首藤康之?
幼少期の潤平が見た男性バレエダンサーも、潤平が想像した未来の自分も、この「ボレロ」のように上半身裸で、黒いボトムを身に着けていました。
「ボレロ」を踊ってきた名ダンサーは数々いますが、漫画に描かれた男性の雰囲気には、この首藤康之さんが一番近い気がしませんか。
そしてこの「ボレロ」が持つ肉体と生の表現が、どこかジョージ朝倉作品にぴったりだとも感じるのです。
モデルはウラジーミル・マラーホフ?
もしくは、ジョージ朝倉さんがインタビューで「ハマったきっかけ」としてあげていたウラジーミル・マラーホフかもしれません。
ダイナミックさと柔らかさを併せ持ち、正統派からコンテンポラリーまで踊り切る圧倒的な力量。
まるで空中を浮遊しているかのようなジャンプをその目でみれば、きっと潤平も虜になったに違いありません!
見どころ②実はアクション好きの人も楽しめる
主人公の潤平は、本格的にバレエを始める前はジークンドーを習っていた……という設定です。
そんな潤平が1巻の1話で、五代都の前で披露するのが「540(ファイブフォーティ)」。
実際、ジークンドーの創始者であるブルース・リーも習得したと言われているテコンドーに、この「540」という技があり、そしてクラシックバレエにも同じく「540」があるのです。
それぞれ動画を見ると、どちらも似ているけど全然違う!
そして、どちらも主人公が漫画の中でどんな動きをしているのかを想像するのに役立つはずです。
クラシックバレエの「540」は映像で見ても凄い
クラシックバレエにおける「540」はこちら!
ところどころ出てくる、同じ足で踏み切り同じ足で着地している回転が「540」です。
周囲の空気を足にブワッと取り込み、しなやかに撹拌していくようなこの動き。
美しすぎやしませんか?!
『死亡遊戯』でもブルース・リーが細い竹を手にし、相手と自分のクンフーの違いを説く場面もありました。
よりしなやかに、より繊細に。
ジークンドーとバレエの融合が潤平のスタイルだと思うと、きっとワクワクしてしまうに違いありません。
テコンドーの「540」も別ベクトルで凄い
そしてこちらがテコンドーの「540」です!
高い位置で振り上げた足をグッと伸ばし、的を射抜く破壊力。
空気を内包しているようなバレエの足さばきとは違い、空間を切り裂くようなキックがカッコいいですよね。
この他にもクンフーの「旋風脚」や、カポエイラの「アルマーダコンマルテーロ」など、似たような回し蹴りの技があるので、一体潤平がどんな「540」を漫画の中で披露し、どう変化していくのかを想像しやくするなると思います。
ちなみに、「旋風脚」とカポエイラの「アルマーダコンマルテーロ」もカッコいいのでぜひ!
■クンフーの「旋風脚」
■カポエイラの「アルマーダコンマルテーロ」
見どころ③“スポ根漫画”としての面白さと思春期の煌めき
引用:eBookJapan
クラシックバレエと出会った主人公が、その類まれなる身体能力と、生まれ持った「バレエ向きの足」、そして踊りと自分が一体となる才能を武器に、日本人初となるロシアバレエカンパニーの「ダンスール・ノーブル(王子)」を目指していきます。
主人公の成長はもちろん、最大のライバルとなる森流鶯との関係も見どころの1つ。
互いの相手の才能を恐れ、魅了されながらも、常に反発しあっている2人の少年。
この2人がそれぞれに成長を重ね、どんな風に関係が変化していくのかもグッと胸に迫るポイントです。
そして思春期特有の悩みや、女の子との関係も絡み始め、揺れ動く若者たちの煌めきが存分に味わえる本作。
胸を熱く高鳴らせたい!という方は、ぜひ『ダンス・ダンス・ダンスール』の世界を堪能してもらえたら、と思います。
今なら無料で試し読みができますよ!
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『ダンス・ダンス・ダンスール』の感想
引用:eBookJapan
本作を読んでまず一番に感じたのは、とても今の時代にあった作品だな、ということ。
「男らしい」という呪縛から解き放たれていく主人公の自由な魂は、本当にピカピカに輝いていて、読んでいて本当に眩しいくらいです。
「男だから」「男なのに」
そんな周囲の声によって自分の欲望を抑え込んでいた潤平ですが、ど真ん中を貫く「本当欲しい物」から逃げません。
ときにそれは苦しいだろうな、と読んでいてつらくもなるのですが、それを乗り越えて高見へと登っていく潤平の姿は清々しくもあるのです。
そんな潤平たちの青春を描いたジョージ朝倉さん。
ジョージ朝倉さんは、煌めき、熱狂、陶酔、肉体、生、性、美しさと醜さを描き出す唯一無二の漫画家です。
荒々しくザラザラしたペンのタッチ、いまにも消えてなくなりそうな儚さ、しかし、恐ろしい程までに伝わってくる熱情の嵐!
とてつもなく絵がうまく、まるで実写のように表現するというタイプではありません。
しかし、感情が爆発するような瞬間を捉えるのが非常に上手く、空気や光を感じさせてくれる作風なのです。
本作では10代の少年少女が多数登場し、その細い体の中にたくさんの感情を詰め込みながら、目一杯踊りぬく姿が描かれていきます。
読んでいると思わず熱くなる瞬間が何度も訪れ、まるで恋をしている時のような高揚感を味わうことが出来るのでした。
『ダンス・ダンス・ダンスール』の評価は?
では、世間の『ダンス・ダンス・ダンスール』の評価はどうなっているのでしょうか?
こちらでは、Twitterに投稿されていた世間の声を紹介していきます。
そして漫画はジョージ朝倉『ダンス・ダンス・ダンスール』。はじめて漫画読んでなんの台詞もない見開きのページで泣きました。
— Saori (@SaoriT_0919) December 30, 2021
だいたいの漫画は一回読んだら気がすむんだけど、『ダンス・ダンス・ダンスール』の新刊は最低三回読む。真鶴最高かよ。
— hiron (@rockonoh) December 30, 2021
毎度スピリッツ買いはじめるか迷うけど、新刊を楽しみたいので我慢。
ダンス・ダンス・ダンスール新刊を入手したので、また一巻から読んでみる。
— おしるこ (@oshiruko_mochi) December 30, 2021
このヒリヒリ感がたまらん!
ダンス・ダンス・ダンスール22巻読了。ジョージ朝倉って決定的な描写無しにエロを描くのがすげー上手い。純真無垢の少女から年増美女まで全てエロい。今回もヤバかった。私まで堕されかけた。潤平は確かに惚れっぽいけど紳士だわ。ヤリチン先輩もその点だけは少し見習った方がいいわ
— ハルツキ (@hartki15) December 29, 2021
ダンス・ダンス・ダンスール22巻、また最高点叩き出してない?
— Mi. (@yare_do_it__) December 28, 2021
それぞれの夢を追いかけたり諦めたりしながら散り散りになったキャラクターたちの運命が集約していく、そんな予感が詰まってる。もちろん人間ドラマだけじゃなくバレエ面もばっちり決めてくる。ノリに乗りまくってて最早恐ろしさすらある
Tweetにもありましたが、本当にジョージ朝倉さんは「時が止まったような瞬間」を描くのが上手いんです。
『ダンス・ダンス・ダンスール』のセリフなし、見開きページの熱くなる感じは、あの『スラムダンク』に匹敵するほど!(筆者比)
そして確かに、直積的な表現がされていないのに、非常にエロティックなのも特徴です。
1話こそパンチラはありましたが、もう、そういうことじゃいないんです!存在の醸し出すエロがあるのです!という感じに。
『ダンス・ダンス・ダンスール』を無料で読めるサイト
残念ながら、全巻無料で読めるサイトはありませんでした。
ただ、電子書籍の割引やクーポンを利用すれば50〜70%OFFで読むことができます。
電子書籍サイト | クーポン / 割引 | |
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まとめ
アニメ化決定で盛り上がり中の『ダンス・ダンス・ダンスール』!
作品のあらすじや見どころ、感想をまとめてきました。
ダンス漫画が好きな人、スポ根ものが好きな人、思春期のヒリヒリした感覚を漫画で味わいたい人におすすすめです!
ぜひ、『ダンス・ダンス・ダンスール』の世界を楽しんで下さい。